保育園歯科検診で見えた、日本の子どもたちの未来
こんにちは。みらくる歯科クリニック院長の高橋です。
本日は、昨年から担当させていただいている保育園の歯科検診に行ってきました。
私は、どちらかというとインプラント治療を得意としています。つまり、歯を失った大人の方々を対象にした治療が多く、日常の診療では小さなお子さんを診る機会は少ないのが現状です。
そんな中での保育園検診は、今の子どもたちの口の中の現状を知る、非常に貴重な時間になります。
驚くほど良好な口腔衛生環境
今回お伺いしたのは、住宅街の中にある、ごく普通の保育園です。約70名のお子さんを拝見しましたが、体感として60名ほどは虫歯ゼロ。治療済みの歯もなく、プラークもほとんど見られませんでした。
少し虫歯があるお子さんは7名ほどで、重度の虫歯が複数ある子はわずか3名程度。全体として、非常に良好な口腔環境が保たれていることに、正直感動すら覚えました。
これは、日本全体での予防意識の高まりや、行政・歯科業界の啓発活動の成果といえるでしょう。そして、保護者の皆さまのご協力があってこそ実現できた結果だと、心より感謝しています。
しかし、次なる課題は「歯並びと噛み合わせ」
ただ一方で、気になる点もありました。
今回診させていただいた中で、約3〜4割のお子さんに咬合異常(噛み合わせの問題)が見られました。叢生(歯が重なって生える状態)、過蓋咬合(噛み合わせが深い)、反対咬合(受け口)、口呼吸や指しゃぶりによる開咬など、さまざまな歯並び・咬合の乱れが見受けられました。
このような咬合異常は、将来的にむし歯や歯周病、顎関節症など、さまざまなトラブルの原因になります。
現代の日本では、多くの方が毎日きちんと歯を磨いています。それでも虫歯やトラブルがなくならないのは、「磨き残し」よりも「咬み合わせ」や「噛む力の偏り」によるダメージが大きな要因であるからです。
どんなに丁寧に磨いていても、奥歯に力が集中していれば、歯は欠けたり割れたりし、結果として虫歯になってしまうのです。
歯並びへの関心が、これからの日本を変える
今後、矯正治療はデジタル化・AI化によって、より身近なものになるでしょう。
見た目の美しさだけでなく、「正しく噛める」という機能面にまで意識が向く社会になってほしいと願っています。
矯正治療は単に歯を「整える」ものではなく、健康を守るための「医療」です。
「きれいに並んでいること」以上に、「きれいに咬めること」の大切さを、これからも発信していきたいと思います。
保育園での検診を通じて、日本の未来の姿と、私たち歯科医療の次なる課題が見えた一日でした。
川越市・川越駅にある地域密着型の歯医者・歯科
『みらくる歯科クリニック川越』
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